私の住む町はまだまだ残暑が厳しいけど、天気予報ではずいぶん気温が低そうな八戸。コロナ自粛と暑さに嫌気がさしていたので羨ましくなり、急だったが妻と出かけることにした。
八甲田を横断、十和田市を経て八戸についたのは午後1時過ぎであった。八戸は別世界のように涼しい。
行動食を買いに鮫のマエダストアに入る。店内はサンダルつっかけのおばさんや、白のランニング(これは下着)半ズボンのおじさんが今晩のつまみなど買っている。都会田舎的、実に自然体、のんびりしている。このスーパーに妙に惹かれた。
駐車場がないのでどうしようかと捜し回り、手間取った。結局、鮫駅から下って左手の海に面した岸壁に停めた。駅まで戻り、海に向かって歩き始める。途中で民家の居間の窓が開いていて、中を覗くとおじさんが昼寝している・・やっぱりのんびりしている。
鮫という港町がしっくりくる感じがして、「ここに住んでみたい」と思った。
もう9月なのに、蕪島に続く浜の海水浴場は賑わっている。立ち乗りのサーフボードみたいなの(スタンドアップパドルサーフィンというらしい)が楽しそう。JR八戸線の時刻表を調べ、大久喜駅を目標とする。
とりあえず海岸に沿って歩き、マリエントを過ぎる。恵比須浜漁港の入り口に鎖があり「通行禁止」の札が掛かっているが、「みちのくトレイルを歩く人のみ可」というような但し書きがある。漁師さんの使う踏み跡になり、海藻どろどろのディープな漁場の海沿いを歩く。「海席料理 小舟渡」という鄙びた感じの絶景の料理屋があり、私好み!
でも・・コロナなのでもちろん我慢する。
イタコマイマイ岩という不思議な伝説が残る場所に、ミナレットのような細い塔が立つ。ここでトレイルが途切れ、少しだけ車道を歩くが狭いし交通量が多くて怖い。葦毛崎のカフェテラスホロンバイルは混んでいるのでパスする。
海霧が夏の暑さに参ってしまった体を冷やしてくれる。なんかもう秋だな~。
外人さんのカップルが波で戯れていた。カップルで来るにしては波が荒れすぎていて、なんだか日本人と違うワイルドさを感じる。
白浜海水浴場を過ぎ、白浜漁港を通り、田村崎遊歩道へ。この辺り変化に富んできれいなアップダウンが続く。ずっと続く遊歩道はきれいで歩きやすい。
子供が小さい頃に連れてきたことがある。それ以外にも車では何度も通った種差海岸。
でも歩いてみると、風の冷たさや海の匂いや音が体に染みてきて、実感度が全然違う。単なる風景ではなく、この場所が生きていて語り掛けてくるような感じさえする。
種差漁港から山道をひたすら登ると神社があり、高岩展望台に出た。岩でしっかりした作りになっており、葦毛崎展望台を小ぶりにしたような感じだ。ここもかつて軍事施設だったのだろうか。
展望台から車道に戻り、八戸線の東側に沿って1号線(うみねこライン)を歩いて大久喜駅へ。
潮風トレイルはとても気持ちのいい、初めてのトレイルウォーク体験だった。この先は観光ルートではなく、整備された遊歩道はないだろう。でも少しづつ足を伸ばして、地図に線を引いていく作業は楽しいだろうなと思った。