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潮風トレイル④2021.6.13 陸中八木~陸中中野

予定では八戸のホテルから陸中中野駅に行って駐車し、八戸線で八木駅に戻る予定だった。しかし館鼻岸壁を通ったら、ちょうど日曜朝市をやっていた。どんなもんか見たくなり、ついぶらりと歩いているうちに時間配分を間違ってしまった。汽車に間に合わなくなり、やむなく八木駅に車を停めることにした。そこから陸中中野に向けて歩く。

10:07 ウニ畑

八木駅から細い道を南に向かい、民家の前庭のようなところを過ぎ、線路を超える。八木港に出て、そのまま海沿いを行こうとするが大きな倉庫がいくつもあって行き止まり、戻って線路を超える。ルートマップではそのまま車道を歩くことになっているが、私たちはまた海岸に戻り、堤防に沿って歩いていく。すると見渡す限り次から次へと続く素晴らしいウニ畑?だ。
颯爽と車で現れたおじさんが「三陸ジオパークを歩いてるんですか?」と。息子さんがジオパーク関係の仕事をしているのだとか。八戸から歩いていると教えると驚いていた。

10:28

ゴロゴロした岩だらけの海岸を通り、崖を回って次の砂浜に移る。ここは満潮では通れないらしい。石灰岩の崖にはアンモナイトに似た貝の化石が多く見られた。

10:37 巨大な石

だだっ広い砂浜にでっかい丸石があり苔むしている。ここだけ和のテイスト。
原子内川の所で堤防を登る。一旦車道に出て橋を渡り、また堤防を越えて海岸に出る。有家駅まできれいな砂浜を進む。右側の壁は高く、津波の時に避難できるように所々階段がついている。有家駅の所には駐車場があり、サーファーが集っている。東北にもサーファーって結構いるもんだなと思う。2日連続で、ずいぶん歩いてきなと思う。
「歩きたり昨日も今日もサーファーの海」

ルートマップでは有家駅から内陸に大きく戻ることになっている。しかし海沿いが気持ちいいし、海沿いに行ければ近くて合理的だ。「何とか超えたい」と不安と期待を抱きつつ進む。しばらく海沿いを進み、山手に入り線路端で一休み。目の前に線路があり、海の音がしていた。
「線路端腰を下ろせば波の音」

11:10 有家川孵化場近く

しかし無情にも有家川孵化場で行き止まり。施設周りには柵が回していあり、川は超えることができない。そして川の向こう側は切り立った崖だ。漁師さんたちが作業していて、不思議そうに見ていた。
延々と長い道中を有家駅まで引き返す。気が遠くなりそう。道中ずっと鶯の声がしていた。
「海風と鶯鳴いて腹が鳴る」

12:14 中野の集落

有家駅から内陸の国道45号線まで戻り、大きな橋で有家川を超える。洋野町立中野中学校の裏門を通り集落に降りていく。集落には診療所跡があって、そこに長年勤務した医者の碑があった。ここでは偉人扱いなんだな。
大久保商店のベンチに座ってネクターを飲む。これが驚くほどおいしい。向いはこの商店経営のガソリンスタンドなっている。お店の奥さんが「どうぞ中で休んでください」と2度も声をかけてくれた。中野駅にたどり着くとへとへとだった。前日も歩いたし。

12:55 中野駅

駅のところに自販機があり、おばちゃんが車で来てジュースを1本買い「暑いですね~」と自然に話しかけてきた。不思議だけどあの1本を買うためにわざわざ来たのだろう、また車で戻って行った。
続いて女子高生が一緒の電車に乗りに来て「どこから来たんですか?」と声をかけてくれた。もうすぐ期末考査があり、部活禁止になるのでその前にテニスの自主練をするのだと言う。自分も昔、岩手の高校で「期末考査」を受けていたなあ。私たちは八木駅で降りて手を振った。素朴で自然な岩手らしい子だった(また出たよおやじコメント)。