予報ではだいぶ暑い土日になりそうだが、三陸の海風を期待して出かけることにした。コロナの第7波がまさに上昇カーブ中。一方宿泊県民割で、近隣県の宿泊がかなりお得なので旅行客は増えている。そんな中、接触を避けて宮古国民休暇村隣接の姉ヶ崎キャンプ場に前泊とした。
設備が整っておりよく手入れされている。なんと屋外炊事場ではお湯が出るし、シャワー室も自由に使える。でも朝シャワーしてから出てきたし、シャンプー類を用意してこなかったので使わなかった。
それにしてもせっかくのキャンプというのに、弁当1個でおなか一杯になるし、ビール2本でもう飲めない。年を取るとはこういうことなんだよな~。
あとはもうやることもなく(会話もなく)、ろうそくの火を灯して、家族連れのキャンパーを眺めて過ごした。
そして改めて気づいたのは子供のもつパワーだ。いつまでも走り回って遊び続けている。だいたいにして、普通に移動するとき小走りになっている。小走りが基本で、多少息が上がっても疲れを感じないんだろう。一方で大人は男も女も重心がかかと側に掛かっていて「よっこらしょ」と動く。
まあそれはいいとして、やることもないので早々と寝てしまった。
翌日は得意の早朝覚醒!キャンプ場でナンバーワンの早起きは私だ・・仕方ないので海側のトレイルに降りてみた。真夏の繁った樹木の間から、海に昇る朝日がまぶしい。
ゆっくりと朝の支度をして車に荷を積み、宮古国民休暇村の駐車場に移動。真崎タクシーに電話すると15分ほどで迎えに来てくれた。
相変わらず真あたらしい新田老駅から海を目指す。今回は腰痛対策としてストックを使うことにした。堤防に登り南端まで辿る。
マップでは、どう見ても堤防が山に終わる所からトレイルが始まるはずだ。ところが堤防上に高い柵が行く手を阻む。負けるものかと無理やり超えて田老川を渡り、山際に達した。しかしトレイルはなく、踏み跡も見つからない。「はじまったよ、こんな危険なことして、ルート合ってるんだが?」とタマのボヤキが始まる。
少なくとも最近使われていないルートと思われた(それならそれで表示すべきだと思う)。引き返して田老川左岸~神田川左岸の道を遡り45号線に出た。
45号線を辿り15分ほど、田老トンネルより手前で左に林道が見つかった。佐賀部展望所の表示があったので、みちのくトレイルと合流することが分かり、そちらに入る。それにしても(おそらく本来のルートではないんだろうけど)トレイルの表示なく不親切だ。
林道を少し進むと左に今日初めての標識があり、わずかな踏み跡が続いている。ほとんど歩かれていない感じだ。この入り口に沢水が流れていて、オニヤンマが盛んに産卵していた。近づいても全然逃げようとしないのは、保身より産卵ということなんだろう。
左が佐賀部展望所~田老港方面、右が栃内浜方面の案内板がある。ここの南斜面には重機が入り杉が伐採されていた。右に進むが踏み跡が微かでわかりにくい。私の愛読している「カラアゲ隊長」の記録ではこの辺りで迷ったらしいが、おそらくここで左に入り田老港方面に戻ってしまったのではないかと思われる。
林道に出て途中からまた山道となり、下っていくと静かな浜に出た。
山道しか通じていない全く無人の浜だ。いつもこのトレイルを歩いていて思うのは、人気のない自然の中にポツンと居る時、太古の気持ちが蘇ってくる。なんだろう・・力強い生命力が体の奥から湧き上がってくる感じ。人(動物も多分同じ)が生きる喜びというのは、こういうことなんだと思う。
波が打ち寄せて砂利が巻き上げられ、岩が削られたのだろう。高波では通れない。
高台に登り、樫内集落に向かう。
タクシーの運転手さんが「トレイルの途中でうちの会社があるから水でも飲んでって」と言っていたが、ホントにあった。地図では確認していたけど、こんな辺鄙なところにタクシー会社があるんだなー。そして運転手さんと再会。運転手兼社長だったらしく、タクシーは2台しかないみたい。「栃内浜の辺りは大体自分の土地なんだ」とか言っていた(何となく国の土地のように思うけど)。
沢の水を引いて古い船を桶代わりに、漁具を入れてうるがしている。ここの日陰に腰を下ろしてしばし休憩。
たくさんのウミネコを引き連れて、漁船が帰ってきた。2人の子供連れの夫婦がバーベキューをやっていた。たった1家族で贅沢だけど・・暑そうだ。
ここで問題が・・海沿いのルートが波で洗われている(下の写真参照)!
腰まで濡れる気なら進んでもいいけど、タマのことを考えて山側のエスケープルート(ここはちゃんと表示されている)にする。漁港の少し山手側の微かな踏み跡を入るが、気が遠くなりそうだ。
山道を延々と登り延々と下り、やっとたどり着く。ここに軽自動車1台が停めてあり、浜で背中を焼いている人がいた・・痛くなるぞ~信じられん。
ここから車道を内陸側に大きく入り込み、宮古カントリークラブに向かう。もし直接海岸を行ける道があれば相当近いんだけど、残念だ。
松月集落でこういったもの発見。イベントで鮭のつかみ取りでもするのだろうか?
途中で山道を辿り、障碍者施設わかたけ学園に出た。そこから南下するといきなり近代的な世界が展開。コロナ禍なのに金持そうな中年男性が集まってプレイを楽しんでいる。水1,5Ⅼが底をついたので自販機で2本購入し、トイレを使わせてもらった。
2人ともへばってしまっていたが、ゴルフ場内を海方向にゆっくり下るのは気楽な散歩だ。最後に動物除けの柵を超えてゴルフ場内を右手に見ながら進み、ここはなぜこうなっているのか?我々は動物か?との疑問を感じつつ、その後離れて下っていく。
斜面を下り切ると、涼しい竹林を通る道だった。ほっとする。左手の高い堤防の水門を潜ると、そこは海水浴場だった。
山の下りで子供たちの歓声が聞こえると思っていたら、海水浴で賑わっている。おっさんの監視員も3人ほど居る。
トンネルを超えるとすぐ中の浜だ。山のアップダウンから解放されて嬉しい。
昔は有名なキャンプ場だった。中央は展望の丘、手前の公衆トイレは震災遺構として残されている。中の浜を過ぎて宿漁港から最後の登りにかかる。
だいぶ日も陰ってきた。姉ヶ崎キャンプ場までのトレイルはそれほどの登りではないので、我慢して進む。
駐車場手前で、トレイルを整備しているという人に声を掛けられた。宮古市内のルートを5人ほどで時々草刈りなどしていると。田老漁港からのトレイルが通れないことを話したが、ちょっとピンと来ていない感じだった。そうとうな距離だからな~大変なことだろう。
またでたよ・・。ちょうど時間的にすいてるんじゃないか?と思い寄ってみたら案の定、ほとんど客なし。昨今の小麦粉などの値上がりもあるのだろう、手書きの掲示がしてあった・・8.1(明日)から30円の値上げだって。
ともあれ今回も予想以上にバテテしまい、率直に年を感じたけど、でも楽しかった。